2020年・2021年になって特に、「16時間断食」に対する注目が大きく増えて来たように思います。特に若い方を中心に、その人気や知名度が日に日に広まりつつあります。
しかしその一方で、実際にある程度の期間をかけて「16時間断食」を実施して得られた結果について、詳しく紹介しているという記事は比較的少ないようにも思います。
というわけで今回は、男子大学生の私が実際に16時間断食を行ってみて、自分中に起こった変化や、断食を継続して得られた経験について詳しく語っていきます。
特に、医療学部に属する大学生という立場から、この健康法を実践してみて感じたことなどについて、包み隠すことなく正直に暴露していきます。
今回、特に注目していくのは、主に以下のようなトピックです。
- 実際、断食をやってみた感触はどうだったのか?
- 体重や食生活に関して、どういった変化があったか?
- どういう方法で継続してみたのか?
1つの体験談、結果報告だと思ってもらえれば十分です。
早速本題に入る前に、一点だけ最初に断っておきたいことがあります。それは「もちろんこれは、個人の体験談・見解に過ぎない」ということです。
たとえ私と同じような大学生であっても、誰しもがここで挙げたような結果が期待できるということはありません。そもそも、一般的なダイエット法や増量法だって、性別・年齢・体格・実施期間など、不確定な要素をあげたらきりがありません。
しかし、わざわざこういった内容を紹介しようと思ったのは、「これから断食を実践しよう、実践してみたい!」という方々に対しては、大いに参考になると考えたからです。
実践者の率直な経験談を知りたくて、この記事を読んでくれている人もいるかと思いますから、あくまでも個人の結果という点はわきまえた上で、ご自身が実践するときに、参考にしていただけると幸いです。
目次
「16時間断食」とは何か?
この記事の内容を知ってもらうにあたって、まずは「16時間断食」という言葉の意味について知ってもらわないことには始まりません。よって、先に少しだけ共有しておきたいと思います。
「『16時間断食が何か?』、『何のために行い、どんな効果が期待されるのか?』くらいのことであれば、もう既に知っているよ!」という方であれば、この部分に関しては読み飛ばしていただいて全く問題ありません。
16時間断食とは何か?
16時間断食の内容を一言で簡単にまとめるなら、こんな感じです。
その名の通り、1日24時間の内、約16時間のあいだに食べ物を一切口にしない断食の時間を設け、残りの約8時間の間に食事を確保するという習慣を確保するという健康法。
「16時間断食」の最大のポイントは、その名前の通り、1日の中で16時間は連続して食事をとらない時間帯を設定することにあります。
詳しくは、こちらの記事にて紹介していますので、合わせてぜひともご覧ください。

この記事でも詳しく述べていますが、この健康法には、そこまで強いルール制約はありません。
ですから例えば、16時間よりも短い断食時間に設定したり、食事を摂るための時間帯もバラバラです。更には、具体的な食事内容や、さらには運動習慣などに関しては、個人の自由とされている部分も多いのが特長です。
よって、これと定期的な筋トレを組み込んだ「リーンゲインズ」というダイエット法が、海外でも人気を馳せており、最近では日本でも広まりつつあります。
得られる効果について
続いて、16時間断食によって得られる効果についても、少しだけここで復習しておくことにします。「これはもう聞き飽きた」という方は、スルー歓迎です。
16時間断食によって得られる効果を、ここに列挙しています。
①「オートファジー」の誘導 ②栄養・カロリー摂取に関する効果 ③その他の効果
オートファジーの誘発
16時間断食をすることで得られる最大の効果とされているのが、この「オートファジー」という機能を誘発することです。
これについても、この記事の中で解説されています。一言で言うとすれば以下のようになります。
空腹状態の時間を利用して、私たちヒトの身体を構成している細胞が、自身のもつ不要になったタンパク質を分解し、新たな物質などに再利用するという過程
「本当に効果があるのかどうか、なんか胡散臭い…」っと感じてしまった人もいらっしゃるかもしれませんね‥
ちなみに、この断食を始めた当初の自分というのがまさにそうでした。
しかし、大隅良典教授がノーベル医学・生理学賞を受賞した際の受賞理由こそが、実は「オートファジー」の発見に関する内容だったことを知り、その後少しずつ自分でも勉強をしてみることにしました。
後ほど紹介する世界中で大ヒットしたビジネス書の中でも、この「オートファジー」に関する内容は取り上げられており、もはや老化や生活習慣病予防を語る上では、見過ごせない機構であるということに気づきはじめました。
とにかく、老化防止・免疫機能の向上・生活習慣病の予防などには欠かせないと考えられている一方、まだまだ不可解な部分が多いのが「オートファジー」です。
自分がやっていた「16時間断食」について少し紹介
「16時間断食」を行うことにしたきっかけ
正直、自分が始めて16時間断食について知ったのが、いつのどの場面であったかは覚えていません。
ただ、YouTube、ネット記事、あるいは書店で見かける本や雑誌等では、最近になってしきりに「16時間断食」について取り上げられる機会が増えてきたように感じています。
私も、その中のいくつかの媒体に触発される形で、まずは気軽な気持ちで始めてみることにしました。
私が初めて見るきっかけをくれたその1つが、以下に紹介している1冊の本です。ふと書店に行ったときに見つけて、しばらく立ち読みした後に衝撃を受けたのを、今でも覚えています。
「LIFESPAN」を読んだのがきっかけ
この本は、老化さえも克服するための人類のための健康法について書かれた本です。世界各国で翻訳・出版されて、ベストセラーになりました。
この本では、特に16時間断食に関する内容が詳しく書かれているというわけでもないのですが、「現代人は、1日に食事をする回数を減らすべきだ!」という著者の主張に驚いてしまいました。
今振り返ってみると、私が16時間断食について詳しく調べるようになったのは、それがきっかけの1つなのかもしれません。「オートファジー」について知ったのも、ここが初めてです。

自分がやっていた実践法
自分がどういった方法で16時間断食を行っていたかについて、簡単に紹介しておこうと思います。
私が行ったのは多くのメディアや書籍等でも紹介されているオーソドックスな方法です。
- 12時~20時までを食事をとって良い時間帯として定める。
- それ以外の時間帯に関しては、お腹が空いていても食べ物を口にしないようにする。
- 飲料水に関しては、飲みたいときと空腹を紛らわしたいときに飲む。
- どうしてもお腹が空いたときは、消化に良いもの、健康に良いものを食べる。
具体的に消化に良いものとして、私が抑えられない空腹時に食べていた食材を挙げてみます。
素焼きのナッツ・ゆで卵・ゼリーなど +(ガムを噛む)
ちなみにガムを噛むと、咀嚼をすることによって一時的に空腹感が紛れるので重宝していました。
素焼きのナッツは、16時間断食について詳しく解説している本の中でも、盛んに取り上げられるほど、小腹がすいたときの非常食としては、最適です。
16時間断食をして変わったこと… の前に少し注意
という訳でいよいよ、自分が「16時間断食」を3ヶ月間続けてみて、自分の中で起こった変化について紹介していきます。
ただし、1点だけ注意していただきたいことを予め共有しておきます。
それは冒頭でもお話した内容ですが、今回の内容はあくまでも個人が行って感じた結果に過ぎないということです。個人の価値観に基づいている部分が多いため、客観的な分析とは言いにくいと思います。
実際に16時間断食を実践した方が、皆同じようにこういった結果を得られるという保証はありませんのでご注意下さい。
しかしそれでも、こういった「なま」の学生の実体験や感触について紹介することには勝ちがあると思いますし、皆さんがもしも今後、この断食法、リーンゲインズを実践しようとしているなら、読んでおいて得になるはずです。
①早朝・午前中の生産性が爆増した。
1つ目に訪れた大きな変化は、特に早朝の目覚めが良くなり、午前中の生産性が向上したということです。
先ほどお話したように、私の場合は12時~20時の間に食事をとり、それ以外の16時間は一切食事を行わないという生活を続けていました。つまり、一般的な朝食の時間帯に食事をとることがなくなり、「毎日朝ごはん抜き!」という状態になりました。
一般的には、「朝ごはんを食べない」という言い方は聞こえが悪い感じがすると思います。実際に、16時間断食法を初めて知って、懐疑的だった頃の自分もそうでした。
しかし、実践してみるとすぐ、朝食を食べないことに関する嫌悪感や違和感は、ただの先入観に過ぎなかったのだということを自覚します。
具体的な変化1:朝食後に眠気が再来することがなくなった
自分はもともと血糖値が上昇すると、食事後に簡単に眠くなりやすいタイプだということを何となく理解してはいました。特に、朝食と昼食ではかなりの炭水化物を摂取していましたから、血糖値の急上昇が避けられなかったのかもしれません。
私が16時間断食を実践しようとしたときに、こんな疑問がありました。
午前中の断食によって朝食を食べないようにすると、その後も血糖値が上昇しなくなるため、逆に生産性が落ちたり、脳が働きにくくなってしまうのではないか?
16時間断食のネガティブなイメージがある方であれば、この懸念点を持っているという方も多いのではないでしょうか。
しかしこれに関しては、朝に少しだけでも運動を取り入れることによって、血糖値を上昇させることができることに気づいたので、心配はいりませんでした。
朝の運動によって交感神経が優位になると、アドレナリンが分泌されやすくなったり、消化管のホルモンが分泌されにくくなることによって、しばらく血糖値が上昇します。
自分の場合は、平日は毎日自転車で大学に通っていましたから、自然と運動をする習慣がついており、午前中を乗り切るためのエネルギーは確保できていました。
具体的な変化2:朝に時間の余裕ができた
16時間断食をはじめてから、それまで朝食を食べるために使っていた時間が空くようになったので、朝の時間にもかなりの余裕ができてきました。
知識人の中でも、「朝の数十分というのは、1日のどの時間帯と比べても貴重だ」と考える方は多いようです。自己啓発本・ビジネス本の中でも、こういった内容について解説している書籍も増えてきました。
朝は、脳がスッキリしている上に、深い思考ができる時間帯でもあります。だからこそ、朝の時間を有効活用して、1日の生産性、コストパフォーマンスを高めようとする認識を持つのも大切なようです。
ともかく、断食をはじめていくうちに朝の時間に余裕が生まれてきたので、その間に自分がやりたいことをやれるようになりました。特に私の場合は、ブログをやったり、勉強したりして過ごすことが増えてきました。

②睡眠の質が明らかに上がった
これまでも、自分なりに睡眠に対して気を配っていなかったという訳ではありません。
これは、結構意外に思われるかもしれませんが、一言でいうと、毎日の寝付きが良くなりました。
その理由として考えられるのは、主に以下の2点です。
- 就寝前に食べ物を口にする習慣がなくなったから
- 就寝前や夜中に、空腹感に苛まれることがなくなった
以上の2つは、なんだかお互いに矛盾しているように感じられるかもしれませんが、これら2つが同時に感じられるようになりました。
具体的な変化3:就寝前に食べ物を口にする習慣がなくなった
まず1つ目は、寝る前に一切食べ物を口にするという習慣がなくなったということです。
16時間断食を開始して、さらに食事ができる時間帯を12時~20時に設定したからには、寝る前に食事をすることはもちろんなくなりました。
これに関しては、開始から数週間の継続によって、少しずつ身体が慣れてきたという側面も大きいのだとは思います。それでも、「無理して夜食を我慢した!」みたいな認識は特にありませんでした。
特に身体に負荷をかけることはせず、精神的なストレスを溜め込むこともなく、毎日少しずつ断食をする時間を延ばす事により、気づいたら16時間連続の断食を達成できるようになっていったのです。
「夕食や夜食だと、どうしても食べすぎてしまう…」といった心配もせずに済むようになりましたので、そのせいで太ってしまうこともなくなりました。
具体的な変化4:就寝前・夜中の空腹感が減った
とにかく、寝る前に空腹感を感じる機会が格段に減りました。というより、「何か食べ足りない…」と感じることがなくなりました。
空腹感を感じることがなくなったことの根拠としては、主に以下の3つです。
- 特に食事制限は行わなず、摂取カロリーの制限は特に設けなかった
- 夕食は、毎日しっかり食べるようにした
- 単純に慣れた
断食を始めた当初というのは、自分もとにかく空腹感との戦いでした。特に、夜中に食べ物を口にしたいという衝動はかなりの強敵だったように思います。
自分の場合はルールを定めていました。具体的に、自分が断食を継続していた際には以下のように決めていました。
- お腹が空いたときは、まずは飲み物を飲むようにする
- もっとお腹が空いたときは、軽く運動する
- どうしても食べたいときは、ナッツを食べる
しかし断食を実践していくうちに、このルールに助けられる機会が段々と少なくなっていったことに気づきました。
③運動して、体型に少し変化がおきた
続いて、多くの人が気になっているであろう、断食をすることにより自分の身体に起こった変化についてです。
これは、断食と同時に確立した運動習慣が大きく関わっています。
3ヶ月間の断食の中で、食事に関する気遣いだけではなくて、運動する習慣をつけることもはじめていました。私の場合、16時間断食を開始したのと同時期に、室内での筋トレを実践し始めることにしました。
くれぐれも、16時間断食をしていれば、勝手に運動が習慣化されたりするといった意味ではありませんのでご注意下さい。
16時間断食を行う場合は、同時に運動習慣を取り入れることが推奨されていますので、これ以降の内容は、それを理解した上で、運動習慣を取り入れた人の結果・体験談として解釈して下さい。
具体的な変化5:運動(筋トレ)習慣が身についた
まず感じたのは、「運動をする習慣」そのものが、16時間断食を始める以前よりも増して身についたということです。より正確に表現するなら、「運動習慣を身につけるための契機になった」と行ったほうが良いと思います。
ちなみに私の場合は、就寝前の室内で筋トレをしたり、平日は毎日自転車で通学したり、テニス部として活動したりなどが、主な運動でした。
念のため断っておきますが、確かに断食を行うことで、劇的に運動習慣が身につくなんてことはありません。さらに、16時間断食のメニュー自体に、運動をしなければいけないと厳格にルール化されているという訳でもありません。
ただ、もちろんこの断食と一緒に、運動を開始しようと思い立った個人的な理由というのはあります。続いては、これを紹介していきます。
- 運動の効果 + 断食との両立による相乗効果を知ったから
- リーンゲインズの存在を知ったから
- 運動によって、空腹感を紛らわす効果があることを知ったから
- 16時間断食を開始した理由が、そもそも痩せることでもあったから
1つ目の断食との相乗効果というのは、先ほど紹介した「LIFESPAN」という本の中で紹介されていた内容です。他にも、「16時間断食」に関する本の中で、運動を両立することの重要性について書かれている本は、結構あります。
2つ目の、「リーンゲインズ」という言葉に関しては、こちらの記事でも紹介している内容ですので、気になった方は、宜しければご覧ください。

具体的な変化6:体重の変化がなく、体脂肪率が少し減った
みなさんが気になる疑問点の1つには、「体重に変化があったかどうか」という点もあるかと思います。断食を始めた当初の私も、これに関してはかなり気にしていました。
- 毎日の摂取カロリーが、段々と少なくなってしまうのではないか?
- 断食している間に、食欲も減退するのではないか?
- 断食をする間に、タンパク質の分解が活発になり、筋肉量が減ってしまうのではないか?
様々な疑問と不安を抱えながらではありますが、実際にやってみたところ、実は体重に対しての変化は、ほとんど見られませんでした。

断食前と後において、実際の私の体重変化は1kg未満であり、開始当時は痩せるのではないかと思っていたのですが、寧ろ少し増えていて驚きました。
さらに体脂肪率の方も計測してみたところ、開始当時よりも少し減少していたので、身体の筋肉量としては増えたという可能性が高いことが分かりました。
その根拠を自分なりに振り返ってみたところ、以下の3つだと分かりました。
- 断食と一緒に、筋トレをする習慣が確立したから
- 運動によって空腹感が紛れて、余分に食べる癖が減ったから
- 食べ物を口にする時間帯が固定化して、食事内容に気をつかうようになったから
「私と同じように、筋トレをする習慣をすれば体重に変化が起こらない!」なんて安易なことはもちろん言えません。
しかし、断食と一緒に運動を取り入れることによる良い効果については、少し理解していただけたのでは無いでしょうか。
継続できた理由
最後に、私が3ヶ月の間で16時間断食を継続できた理由について紹介します。
とはいいつつも、16時間断食の開始に踏み切った理由は、ただ1つです。
「ただ、断食という健康法に興味が湧いたから」だけです。つまりは、ただの好奇心です。
私の場合は、書店で「LIFESPAN」という本を見つけたこと、あるいは「断食・空腹」という言葉がデカデカと表紙に書かれた本を見かけて、軽い気持ちで手にとってみたことが始まりでした。
その後、自分が実際に実践することによって、どんな結果が得られるのかを検証したかったのが本音なのです。ですから、最初から健康になりたいという意気込みが強かったというわけでもありません。
しかし、好奇心に任せて行動したことで、結果に固執することもなく、冷静にその良し悪しを判断することができたようにも思います。
「16時間断食」はおすすめできるか、結論は…
最後に、「16時間断食」をおすすめするかどうかについて、自分なりの意見を表明して終わりにします。
医療学生として、3ヶ月間も断食を継続してみて感じたことを一言で集約すると、以下のとおりです。
「長期的な健康への影響であったり、本当に老化防止・免疫力アップなどに効果があるかなんて、現時点では安易に判断できるわけない…
しかし、今のところは続けてよかったことが多かった」
確かに、好きなものが好きなときに食べられることも、幸せの1つだというのも理解できますが、それで不健康になる可能性もあるなら、断食を実践してみる価値があるように思いました。
もちろん、今を幸せに生きることこそが、真の幸福であると考えるのも1つですから、全く強制するものでもありません。
ちなみに、同じ薬学部に通う何人かの友人に、「この断食法に興味があるか?」尋ねてみたところ、やってみたいという人と、やりたくないという人はおよそ半々でした。
やってみようか気になっている方は、実践してみることをおすすめします。「好きな物を食べることこそが、真の幸せだ!」とお考えなら、寧ろやらないことをおすすめします。
ここまでお読みいただいて、結論が曖昧すぎて拍子抜けされたかもしれませんが、冷静になった自分が考える、最良の結論がこれです。
何か1つでも、今回の内容を通して参考にできることがあれば幸いです。最後までお読みい頂いてありがとうございました。