どうも、Leoです。
今回は、実際に薬学部の6年制学科に所属する自分の視点から、6年制薬学部では、どういったカリキュラムで勉強するのか、実体験を元に紹介していこうと思います。
今回は、各学年別に紹介していきますので、これから薬学部に入学される方や、現在6年制学科に通われている薬学生の方にも、ぜひ見ていただきたい内容になっています。
今回紹介するのは、あくまで一般的なカリキュラムの流れですので、大学ごとに多少のずれはあるかと思います。
できるだけ、国公立大学、私立大学を問わず、全国の薬学部において広く当てはまるような流れを紹介するべく、意識していますので、ご了承ください。
目次
1年生:教養科目が中心!
講義科目について
薬学部に入学してから初めての講義です。
1年生で学習科目としては、以下の3種類に分かれると考えてください。
基礎的な専門科目
- 有機化学
- 生物化学(糖質、脂質、アミノ酸の代謝・生合成経路など)
- 物理化学
- 医療倫理などを学習する科目 など
教養的に学習する理系科目
- 物理学(力学をはじめ、薬学にも関わりが深い熱力学、原子物理の範囲など)
- 生物学(高校範囲を含めた、生化学、細胞生物学などの関わる範囲)
- 数学 (線形代数学、微積分学など)
その他、一般的に大学生が履修する科目
- 英語、第2外国語などの語学学習
- 保健体育
とにかく、薬学部に入学してはじめての講義ばかりですが、いきなりその量が膨大なんですよね。
1年生の誰もが、入学後すぐに、
- 「履修する単位数の多さ、試験範囲の膨大さに驚愕した…」
- 「大学生なら、もっと遊ぶ時間が取れると思ってた…」
っと、落胆してしまうかもしれませんね。僕もそうでした…
実験・実習について
また、1年生の早期のうちに基礎的な有機化学、生物学に関する実験を実施する大学もあります。
さらには、早期の間に、病院などの医療現場での体験を実施してもいたりして、とにかく入学したての学年でありながら、基礎でありかつ、重要な体験が多い印象です。
カエルやマウスなどの解剖実習を、この時期から実習する大学などのもあり、入学したばかりなのに少し面食らってしまうこともあるかもしれませんね…
僕もそうでした…(2回目)
2年生:基礎科目+実験も始まる!
講義科目について
2年制では、教養的な学問の占めるウェイトが少なくなるとともに、薬学に関わる専門的な科目を学習する機会が多くなります。
例えば、以下のような科目がその例です。
- 先ほど紹介したような有機化学や生化学など、基礎的な専門科目
- 「衛生薬学」と呼ばれる、公衆衛生や食品、環境汚染、薬害などに関する学習をする科目
- 機能形態学、免疫学、生理学といった、人体の仕組みや機能について学習する科目 など
ここに上げた以外にも、薬学部のカリキュラムで特徴的な科目を本格的に学習し始めるのは、この時期だと思います。
実験・実習について
今までの講義で学習した内容を含めた、基礎的な実験や実習が占めるコマ数が増えてきます。
また、実験や実習の後には、逐一レポートを作成して提出しなければいけない場合が多いと思います。

しっかり、勉強や実習に望めるように、「基礎体力」みたいなものが必要になってきますし、これが次の学年にも生きてきます!
3年生:専門科目+実験が本格的になる!
講義科目について
薬物動態学・薬物治療学・薬理学など、薬学部において特徴的な講義科目が増えてくるのが3年生です。
こういった科目では主に、薬の作用や機序、体内での動態や薬に関わる疾患に関する勉強が多いはずです。

試験について
3年時の試験はとにかく大変で、2年生の頃と比べても大変になる印象があるようです。
その理由としては、例えば以下のような点が、あり得ると思います。
- 取得しなければいけない単位数(必修単位)の数が2年生に引き続き多い印象があり、相変わらず試験の数が多い!
- 実験・実習や、そのレポートを試験勉強と並行してこなす必要がある!
- 講義内容が専門的になるので、試験範囲内の暗記事項が莫大になる!
とにかく、試験までに覚えなければいけないことも多く、試験勉強は余裕を持って始めないと間に合わなくなってきます。

4年生:OSCE・CBTが始まる!
講義科目について
大学によって差があるものの、4年生でも3年生に引き続いて講義があることが多いです。
臨床に係る疾患について学習する病態学や、医療法規などに関する講義もあり、より実践的な内容が多い印象です。
OSCE・CBT
6年制学科の4年生の段階で特徴的なイベントと言えば、「OSCE・CBT」です。
OSCE、CBTの説明は、以下のとおりです。
薬学生が実務実習を開始する前に、技能及び態度が一定の基準に到達しているかを客観的に評価するための試験。患者・来局者との応対、薬剤の調製、調剤鑑査、無菌操作の実践、情報の提供が適切に行われるかをテストする。
薬学生が実務実習を行うために必要な知識、態度が、一定の基準に達しているかを、コンピューターを使って客観的に評価するための試験。出題される問題数は同じだが、問題は受験生ごとに異なり、期待正答率による集計で、公平性を確保している。
多くの薬学部では、4年生の時期にその対策と試験が行われると思います。
4年前期の早い時期や、夏休みを利用して勉強に本腰を入れ始める人も多く、CBTのための学内の試験を実施する大学もあると思います。

研究室配属について
一般的な4年制大学では、研究室に配属されるのが4年生に進級する段階が多いはずです。
ただし薬学部においては、必ずしも4年生で配属されるとは限りません。
研究室配属に関しての、大まかな傾向としては、以下のようになっているはずです。
- 大学によって、3年生の段階から前倒で配属される場合がある。
- 国公立大学では、研究志向の学生・4年制学科の定員割合も多く、私立と比べて高い割合の学生が、研究室に配属される。
- 私立大学では、成績が優秀な学生や、希望者のみを対象として配属される場合もある。

5年生:実務実習・就活・研究・国試対策などてんこ盛り!
実務実習
病院の薬剤部と、薬局での約3ヶ月間ずつの実務実習が始まるのが、この5年生です。
多くの薬学部では、実習の期間が3グループほどに分かれていて、そのうち2期分を指定されて、実習へと通うという形態が多いように思います。
ここで、臨床や調剤の現場を体験し、薬剤師として必要なスキル・、コミュニケーション力などを学びます。
就職活動との兼ね合い
本格的な就職活動は、5年生の後期を中心として実施される場合が多いです。
そのため、実務実習との兼ね合いを考え、できるだけ5年生の早い時期に実習を済ませておくのが理想的とされています。
特に、6年制学科に通っていて、薬剤師として働くと考えている学生にとっての就職活動は、一般的な就職活動と比べても、内定がもらいやすい傾向にあります。
一方で、製薬企業や、人気の病院・薬局を目指す人であれば、本格的に就職活動を実施する必要があり、人によってこの時期の苦労も異なってきます。

6年生:国家試験へ向けてまっしぐら!
私立大学の場合
多くの私立大学の場合、早めに卒業論文を執筆、発表し終えて、いち早く国家試験対策に乗り出します。
大学によっては、予備校から講師を招いて、国家試験対策の講義を行う機会があったり、実際に予備校に通って勉強するという人も多いのが、私立大学の特徴です。
大学側も、国試受験を想定した講義や試験によって、学生を後押しする形となることが多いようですが、とはいえ、国試の勉強は孤独な面もあります。
国公立大学の場合
一方の国公立大学の場合、卒業の直前まで、研究や卒業論文の製作に明け暮れる事もあって、国家試験への対策が遅れがちになることが、傾向としては大きいです。
国家試験対策は自分たちで独学でこなすという人も、割合としては私立大学と比べて多い印象がありますが、何れにせよ、大変な時期です!
6年生の前半は、国家試験対策の勉強と、卒業研究、卒業論文の執筆などを同時並行で行い、直前期にかけては、とにかく国家試験対策に徹するというのが、一般的な流れです。
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最後までお読み頂いて、ありがとうございました!