大学生の間でも、最近では「四月病」・「五月病」という言葉が話題に上がるようになってきました。
2021年の場合は、昨年の2020年に引き続いて、新型コロナウイルス感染症の影響を諸に受ける世の中となり、昨年と同様、新年度を迎えて以降もどこかに不安やストレスを溜め込んでいるのでは無いでしょうか。
これはもちろん、全国の大学生にとっても例外ではありません。という訳で今回は、大学生の「四月病」・「五月病」について詳しく解説していきたいと思います。
四月病
まずは時系列順ということで、「四月病」というものについて少し解説します。というわけでまずは、四月病について、簡単に言い表してみました。
新年度を迎えたことにより、突然自分の意識が高まっていき、その高揚感などを抱えたまま、ついつい自分の能力外・想定外の行動に走ってしまうこと。
また、意識の向上だけで、自分の能力・ポテンシャルが急増したように感じて、空回りしたり、あとになって自分の行動に後悔を伴ってしまうこともある…
「それ、あのときの自分だ…!」っと共感してしまった人もいらっしゃるかもしれません。ちなみに僕もその類いの人間です。(笑)
五月病
というわけで続いては、メインの「五月病」についての紹介です。一般的に言われている「五月病」の内容と、大学生の例について、簡単に説明します。
進学・就職・転職・新生活などによる環境の変化によって、普段よりもストレスを抱え込んでしまい、気分が優れず落ち込んだり、体調を崩したりする症状のこと。原因としては適応障害をはじめとして、発達障害などによる影響もあります。
大学生の場合であれば、新生活や友人関係に関する不安感を抱えて、これを4月からも引きずる結果となってしまうこともあります。
さらにコロナ禍の影響により、思ったような大学生活が送れない状況も、その主たる原因として認識去っるようになってきました。
というわけで続いては、5月病の症状として、大学生が陥りがちになる状況について紹介していきます。
5月病の症状:始めたことを諦めてしまう
というわけで、ここでは、大学生がやってしまいがちなことの中でも、
「新しく始めてみたけど、気づいたら自分の余裕とモチベーションが下がって、どんどん諦めてしまった…」
という内容について紹介していきます。
見切り発車な状態になってしまって、後nなって後悔するという経験は誰しもが持っていると思います。偉そうに語っている私だって、後先見ない行動はよくあります。
諦めてしまうこと 其の1:サークル・部活をやめる
5月病になってしまった大学生の症状として、まずはじめに紹介するのは、サークルや部活に参加できなくなるということです。
特に4月の新歓の時期には、「自分でもその動機がわからずにとりあえず入部して、気づいたらいつの間にか、なんで自分がその活動をしているのかわからなくなってしまっていた…」ということが起こってしまうのです。
自分の興味関心の輪を広げるという意味でも、新年度からの周りの人間関係を豊かにするという意味でも、新歓に参加することで可能性を広げられるのは良いことです。
ただし、気をつけて考えるべきなのは、「そのサークル・部活に本当に入部するのかどうか?」ということ。当たり前ですが重要な問題です。
もしも、「現時点では自分には判断できない‥」・「正直迷っている‥」という状態であれば、具体的には以下のような手段を取るのが良いかもしれません。
- まずは新歓にだけ参加したり、仮入部という形にする
- 入部時期を遅らせてみる
- 友人を誘ってみることで、自分が入部する動機を見つけたりする
その間、自分の生活とも照らし合わせながら、冷静に考えて見る時間を作ってみるのもありです。
とにかく、自分が現在の生活に慣れた状態で、本当に参加するかどうかを決めるかどうかが重要です。それでも決められなければ、そこまでの動機も熱量もないのだから、一旦は止めてしまうのも良いでしょう。
諦めてしまうこと 其の2:バイトを無理したり、やめてしまう
次に諦めてしまうものとして多いのが、バイトです。
新年度から新しいバイトを申し込んだという方も多いはずです。これ自体はもちろん良いのですが、問題は、春からも続けられるかどうかということ…
春休みの間に勢い余って新しいアルバイトに申し込んでしまって、しばらくしてから時間・ストレスに余裕がなくなって後悔してしまったということは、できれば避けたいものだと思います。
特に、時間がたっぷり取れた春休み気分が抜けていなくて、新年度以降もそのノリでバイトのシフトを増やしたりしようとすれば、新年度早々にガタがくるのは目に見えています。そもそも、新年度のスケジュール・時間割などを詳しく確認しないまま、無理にバイトのシフトを増やすと、後で面倒なことにもなりかねませんよね‥

諦めてしまうこと 其の3:学生団体、ボランティアなどへの参加意識
続いて紹介することは、学生団体、ボランティア活動、インカレサークルなどの活動に参加することです。
4月の時期というのは、何も大学内の部活動・サークルの新歓が活発になるだけではありません。特に、大学を跨いで活動をする学生団体、ボランティア団体、インカレサークルなどの新歓も、盛んに開催されるのがこの時期です。
また、こういった活動については、何も新入生だけではなく、2年生以上で在学している学生も参加しやすいのが特長です。
最近ではあれば、オンラインでの新歓活動が盛んになってきましたが、これは先程あげたような団体が意外と得意としている新歓の方法でもあります。
それは、以下に示すようなこういった傾向がそもそも強いと言えるからです。
- 毎年多くの学生が参加することを想定している (新入生+在学生)
- 複数の大学の学生が混ざって参加することが前提にある
- 普段から、下手したらコロナ禍より前から、オンライン活動が活発なである
このような団体であればあるほど、例えば友人と一緒に参加するハードルも小さくなりますが、逆に言うと、下手をすれば幽霊部員にもなりやすいとも言えます。
特に、自分の大学生活、プライベートの状況が段々と見えてくる5月以降というのは、モチベーションが低下しがちになります。
4月病の症状として、高揚感がまして意識が高まってきたように感じるのは良いけれど、いざ入ってみたら大した活動ができていなかったり、プライベートが忙しくて、どうしても後回しにしがちに陥ってしまっている。
そして、気づいたら「どうしてこの団体に入ろうとしたんだっけ…?」っと、目的を見失う結果になってしまいます。
5月病の症状:「〇〇し過ぎてしまう」
「〇〇しすぎ」 其の1:お金を浪費してしまう
まず1つ目に紹介する事態は、ついつい何でもかんでも余分にお金を遣ってしまって、自分がふと気づいたら、新年度に早々から金欠状態になってしまうなんていう怖い状態です。
新生活を始める方の場合
新年度になると、例えば新大学生の方であれば新生活の準備がありますから、普段なら買わないような大きな買い物をする機会が増えるはずです。
しかし、一人暮らしを始める方であれば、ほとんどは親御さんからお金を出してくださるという流れだと思います。ですから、新生活の開始早々に、いきなり貧乏になるなんてことは少ないと思います。
しかし問題は、5月(特にゴールデンウィーク)以降です。
この時期は、バイトを始めたての方や、新生活の環境に慣れたり、部屋を整えたりすることが必要です。そのくせ、ゴールデンウィークを挟むことで、人によってはお金を使うことが多くなる人がいるかも知れません。

「〇〇しすぎ」 其の2:講義を履修しすぎる
続いての「◯◯し過ぎてしまう」は、ついつい講義を履修しすぎてしまうという状態です。これをやってしまう大学生は、意外と多いかもしれません。
新年度の大学生にはありがちな意気込みの例を、いくつか以下に挙げてみます。
加えて、自分なりド正論かつ煽りにも聞こえるようなツッコミを入れているので、該当する内容がある方は「グサッ」とくるかもしれませんが、ご了承下さい。
・ありがちな主張 其の1
「そういう仰っているってことは、昨年度までは1限目に講義を入れていなかったか、間に合っていなかった可能性が高いってことかな。
昨年度までできなかったことが、急に出来るようになるの? 堕落しやすい春休みを挟んだ後だけど、本当に継続できるの? まず初日は大丈夫?」
・ありがちな主張 其の2
「再履修した科目は一度既に勉強している内容だから、他の科目と一緒にしたところで問題ない!」
「『問題ない』って、問題があったから再履修しているんじゃないの?
まあ、どこかで単位は回収する必要があるから仕方ないけれど、自分を過信してはいけないよ!」
・ありがちな主張 其の3
「今年度は沢山するつもりだから、履修するコマ数は増やしておこう!」
「教科書は、買ったままで満足していない?
テスト期間に入ってからの負荷も想定している?
実際に新学期が始まってから、定期的に勉強する習慣はついている?」
というわけで、新年度を迎えた大学生がやりそうな考えについて、皮肉たっぷりなツッコミとセットで紹介してしまいましたが、当てはまってしまったという方もいたでしょうか。
私は決して、大学生を貶めたり、罵ったりするような意味はありません。
あくまでも、新年度独特の高揚感、気持ちの高まりに酔いしれ過ぎたり、意識が高すぎる状態で停滞することで、自分が後で公開することの無いようにしてほしいという意味からの意見です。
時には、自分の能力を過信して自惚れてしまったり、浮き足立つ場面が訪れることや、あるいはもうそれが訪れている方もいるかもしれません。
履修登録をすすめる上では、とにかく以降の自分が後悔しないようにという視点を持つことも忘れてはいけません。
また、もう既に履修登録が済んできたとしても、その後悔が軽減できるような努力を、今のうちから始めてみましょう。
どうして、挫折してしまうのか
ではどうして、私たち大学生は「五月病」によって挫折感を味わい、後悔に苛まれる結果になってしまうのでしょうか。
今回は、主に以下の3つの理由を挙げてみました。
新年度・新学年になったことへの高揚感や、中倒れ
これに関しては、先ほどから既に紹介している内容でもありますが、とにかく新学期になると、どうしても気持ちが高まってしまうものです。
それ自体が悪いということはもちろんありませんが、時にそれが、自分を空回りさせる原因にもなります。
春は気温も上昇して桜も咲き誇り、気持ちが晴れ晴れする季節であることには間違いありませんが、その後には梅雨を迎えます。
まさに、「四月病」→「五月病」という流れに沿うかの如く、気持ちの浮き沈みが大きくなるのがこの時期なのかもしれません。
新年度になるまで、そうなるなんて知らなかった
いくら、「気持ちの整理をしよう!」・「後悔のない選択を心がけよう!」と言われたところで、実際に体験してみないことには、何もわからないということだって、もちろんあります。
もしかすると、世の中はそのような状況の方が多いのかもしれません。
新型コロナウイルスのパンデミック予想だって、その1つだったと言えるかもしれません。
「◯◯モデル」という理論が、ドンピシャで的中したという例は少なかったですし、そもそもここまでの世界的なパンデミックを始めから予想していた人は、ほとんどいないはずです。
講義の形式、サークル・部活の様子、バイトの内容に至るまで、先行きが不安な要素もある中でこれを予想するのは難しいことです。私も後悔することは、大いにあります。
自分の友人など、周りの環境による圧力
新年度になると、自分の周りの人間関係というのにも、変化が訪れます。
これに伴って、ついつい自分の友人の存在が恋しくなったり、誰かと時間や考えを共有していることを求めたりしてまう傾向も高まると考える事もできます。
これが逆に仇となり、帰属意識が高まるどころか、本来なら自分自身が持っている価値観や、本来なら自分自身で判断するべき内容までも、いつの間にか封じ込めてしまうことがあります。
これが原因で、気づいたら自分の満足の行く選択ができていなかったという自体に陥ってしまう可能性があるのです。
というわけで続いてはいよいよ、「五月病」にならないようにする、または、春学期以降においても、自分に後悔をすることがなくなるような方法について紹介していくことにします。
対策法
冷静になる時間を作る
まず最初に紹介する対策法は、対策というより「心構え」に近い内容だと思いますが、重要な内容だと感じていますので共有しておきます。
その前に、一点だけ注意しておきたいことがあります。
これ以降の内容を読まれた方で、もしもお気を悪くされてしまったり、癪に障ってしまったら申し訳ありません。もしかすると、上から目線の高圧的な言い方に思えてしまうかもしれませんが、どうか温かい目で読んでくれるとありがたいです。
一大学生が、5月病の克服のために調べ尽くした、そして考え抜いて得られた結論の1つとして理解していただけると幸いです。
自分の能力を過信しない
このような言い方をしてしまうと、どうしても鋭い口調に聞こえるかもしれませんが、誤解を恐れずに単刀直入に言うと、
「新年度に入ったからと行って、3月の自分と4月・5月の自分に大きな違いがあるわけではなく、自分の頭脳や能力が、時期とともに急激に進化していることも恐らく無い!」
ということを自覚しよう。
最初はそんなつもりはありませんでしたが、いざ言葉にしてみると、偉そうな言い方に聞こえてしまった気が‥‥
自分としてもすごく恐縮です。お気を悪くさせてしまったら、申し訳ございません…
しかし、自分の場合であっても、毎年新年度を迎えたときには、これを自分の中で意識するようにしています。そして年を重ねるたびに、この意識の重要性について理解が深まっていきました。
その内容について、ここで共有していきたいと思います。
謙虚な姿勢を心がけ、最悪の事態を想定すること
年が明けたときや、春になって新年度を迎えたときなど、それから1年間の目標や抱負を考えるという方は、きっと多いはずです。
確かに、目標を掲げて、それに向かって自分自身が努力していくという過程そのものは、称賛すべき以外の何物でもありませんが、それで浮足立ってはいけません。
寧ろここで伝えたいのは、これら4つです。
- 目標を立てて満足するようなことはしないこと
- 謙虚に現状の自分を捉える姿勢を持つこと
- 目標・ゴールに対する自分の現在位置を把握すること
- 最悪の事態を想定しておくこと
特に、4つ目に関しては、自分がなんかの決断をしたり、先行きが不安である物事を抱えている状態において、特に有効とされている実践法の1つです。
「最悪、大学を休学すれば良い」・「親や友人に相談すればいい」など、自分なりのセーフティーネットを敷いておくことによって、いざというときには、その事態よりも軽度で済んだという安心感を得ることもできるのです。
自分に無理がない計画を立てる
自分の目標や、現時点での自分の能力に対して、正しい理解と謙虚な姿勢が持てたとなれば、続いては、新年度の計画を立てて行きましょう。
といっても、既に4月の時点で新年度の目標を立てているという方も多いかも知れません。あるいは、わざわざ立てたりはしないという方もいることでしょう。
いずれにしても、そのときに参考にしていただきたいのが、新年の目標です。
今年1月、新年を迎えた際に、今年1年間の目標を立てたという方は多いかと思いますが、其の内容を振り返ってみるのが、超おすすめです。
振り返っていただきたい内容は、以下の3つです。
- そもそも、今年の新年の目標を何だったか?・いくつあったか?・内容をそれぞれ覚えているか?
- その達成度は順調であるかどうか?
- 新年度を迎えた今の自分に、その目標は適切か?
1つずつ見ていきましょう。
新年の目標は?
これを読んでいるのが4月、5月なのであれば、年明けからもう既に3~4ヶ月が経過しています。
この時点で、自分が当時の目標を覚えているかどうか振り返ってみましょう。勝手な予想ですが、すっかり忘れてしまっているという方は、多いはずです。
逆に、この時点でもしっかり覚えているという人であれば、もう既に、次に示す2つの内容についても意識しているという可能性が高いと思います。
思い出せていなかったという人は、当時のノート・手帳・書き初め・音声などを見返してみて、当時の自分が抱いていた目標、意気込み、熱量なんかも思い出してみましょう。
その達成度は順調であるかどうか?
例えば4月~5月にかけて、いま一度その内容と進捗状況を振り返ったすれば、もう既に1年がスタートしてから、約1/3が経過していることになります。
ということは単純計算で、その目標の1/3が達成されていることが現時点での理想ということになります。
そしてさらに、「今年中にその目標を達成できる見込みがあるかどうか?」についても、今一度考え直してみることが良いと思います。
これに関しては特に、次の目標設定の見直しにも絡んでくる話ですから、セットで抑えておきましょう。
新年度を迎えた今の自分に対して、その目標は適切か?
今年1月の時点での自分というのは、いわば現在の自分よりも学年が1つ小さいということです。
もちろんですが、その時点での自分というのは、まだ新年度になって自分が抱えている悩み、不安などについては経験していないですし、想像もしていなかったかもしれません。
ですから、年明けに立てた新年度の目標を、新年度を迎えた今になって見直してみるということは、実は大きな意味があります。
それはすなわち、年が明けた1月~3月の自分はもちろん、新年度を迎えた後の4月以降の自分を振り返るという意味もありますし、これからも自分の目標達成に向かって、軌道修正をかけるための時間でもあるというわけです。
新年度をすでに経験している現在の自分の視点から、もう一度当時の自分が立てた目標を振り返り、出来るところは軌道修正を図りましょう。
「五月病」患者に、本気でおすすめの本
それでは最後に、「五月病」を抱える大学生に対して、絶対に読んでほしい本を紹介して終えることとします。
- 「今まで意識してはいなかったけれど、自分もしかしたら、『五月病』かも…」
- 「この記事を読んでみて、自分に当てはまる部分が少しはあった…」
こういった感想を持たれた方にこそ、ぜひとも読んでほしい本を集めていますので、気になった本についてはそれぞれ添付しているリンクからチェックしてみてください!
Think clearly
この本の内容をギュッとまとめるとしたら、「取捨選択のルール作りが、あなたの人生をクリアにする」というものです。
「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるわけではない。
「何を避けるか」が大事なのだ。
「Think clearly」より引用
ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか
五月病にありがちなモチベーションの維持ができず、色々と面倒くさがってしまうことがあるという方向けの本です。
春休み気分が抜けきれずに、怠惰に過ごしてしまうという方にこそ、強くおすすめできる本です。
自分の中に毒を持て<新装版>
著者は、あの世界が認めた天才的芸術家「岡本太郎」です。
出版以降、ロングセラーを記録しているこの本は、人生に妥協せず、それでも自分の未来ある豊かな人生を歩むための、若者の私たちの心にも響く言葉をかけてくれる1冊です。
20代にしておきたい17のこと
ここまではどちらかと言うと、「現実と向き合うことを意識しなさい!」といった感じのメッセージ・趣旨を含むが多かった気がします。
「そうは言いつつも、折角の大学生の間だから後悔の無いように生きたい!」・「しばらくは夢を見立っていいいじゃないか!」
という方に対してもおすすめできるのがこの本です。20代のうちにやっておいたほうが良いことについて、著者自身の経験に基づいた内容も踏まえながら熱く紹介しています。
個人的には、この本は後半の内容を先に読んだほうが良いと思うくらい、後半の10個ぐらいの項目が特にぐさっと刺さりました。