どうも、Leoです。
2022年からの高校教育では、新学習指導要領も一新されることが決定しており、最近になってその内容が次々に明らかになってきました。
更にこれに伴い、2025年の大学入試からは、様々な科目の出題形式、出題内容が一新されます。
ということで今回は、
- 2022年度から始まる新学習指導要領の内容
- 大学入学共通テストの出題科目の変更点
について、わかりやすく説明していきます。
2021年3月には、2022年度以降に使用される「新しい時代」の教科書が発表され、文科省の認定を受けたというニュースが話題になっていました。
高校での教育はもちろんですが、大学入試と教科書も大きく変貌しようとしています。
今回は、大学受験を控えた受験生の方や、中学生・高校生の方をはじめ、新しい高校のカリキュラム等についての理解を深めてもらうべく、自分なりにリサーチを重ねてみました。
今回は、大学入試の出題科目に関する変更点を重点的に説明しています。
高校によって採用するカリキュラムなども違うと思いますので、あくまで参考程度にお願いします。
地歴公民の変更点
まずは、地歴公民の変更点から紹介していきます。
大学入学共通テストの選択科目に関する変更点をまとめると、以下の通りとなっています。
大学入学共通テストでの変更
~2021年度 | 2022年度~ | |
地理歴史 |
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公民 |
|
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- 『公共』が、大学入試で必須科目となる。
- 新たな6科目の中から、最大2科目を選択できる。
新学習指導要領
「公共」の導入
地歴公民の新学習指導要領における主な変更点としては、まず「現代社会」が廃止される代わりに、新たに、「公共」という科目が必修化されることでしょう。
文科省の説明によると、どうやらこれまで20歳以上が持てていた普通選挙権が、18歳に引き下げになったということが、大きな要因としてあると言われているようです。
この「公共」では、法律、経済の仕組み、社会保障の現状などに関する内容を勉強して、これまでよりも「現在の日本が抱える問題点」などを重点的に学習して行くことが想定されています。
現代社会との内容の被りがないようにするべく、今回は「公共」の一本化へと決まったそうです。
地理、歴史の変更点
続いて、地理、歴史の変更点についてです。
現行の指導要領では、「世界史A」・「世界史B」から1科目、「日本史A」・「日本史B」・「地理A」・「地理B」から1科目を履修することが必須とされています。
しかし、新たな指導要領では、これらの呼び名がガラッと変更されています。
- 地理A・B →「地理総合」「地理探求」
- 世界史A・B 日本史A・B →「歴史総合」「世界史探求」「日本史探求」
さらに「地理総合」と「歴史総合」に関しては、必修科目となるとされているので、文理を問わず、これまでよりも広く深く社会科に取り組むことを目指していることが伺えます。
歴史総合 (必修)
世界各地域の歴史はもちろんですが、日本史の学習と合わせる形態となるのが注目するべきポイントです。
この背景としては、以下のような目標が掲げられていることがあるようです。
- これまでの学習で課題とされていた、18世紀以降の近現代史を重点的に学習する。
- 日本史と世界史をあわせて学習し、両者の垣根を超えてより深い学習を目指す。
- これらを通して、世界における日本の立場や、外交といった多角的な視点から歴史を捉える。
また、今回の歴史科目の改定に至っては、これまで世界史の履修が必須であったことの見直しという意味もあるとされています。
日本史、世界史、地理の3科目に関しては、「どれか1科目を学習することで、他の科目が理解しやすくなる」っといったことが起こりやすいのが特徴でした。
今回の、「歴史総合」、「地理総合」の必修化によって、さらにその相互作用が強まると考えられています。
地理総合 (必修)
地理総合は、これまでの地理学習の良さを踏襲しつつ、地球市民の一人として、日本のみならず、世界の地理的考察を目指す科目です。
持続可能な社会を目指し、現代の世界が抱える諸問題を考える過程も重要となっていきます。特に、環境問題、人種問題をはじめ、世界的に直面している課題に関する知見を広げたり、国際協力の必要性などについても学ぶことを目的としています。
情報社会の流れもあって、「地理情報システム(GIS)」という地図情報を扱うソフトの使い方に関しても学習するようになっています。
「日本史探究」、「世界史探究」、「地理探究」
これらの3科目は、それぞれ「歴史総合」、「地理総合」の発展的な学習をする科目として設定されます。
いわゆる、文系の学生向けの科目とも想定されていて、これらは必修科目ではなく選択科目となります。
「歴史総合」の方では、近代史・現代史を中心的に学習しますが、「日本史探究」、「世界史探究」では、近代以前の歴史もしっかり学習するとされています。
数学
数学に関しても、大学入学共通テストの際の変更点はもちろん、新学習指導要領の内容も大きく変更されています。
大学入学共通テストでの変更
~2021年度 | 2022年度~ | |
主要科目 |
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その他 |
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なし |
新しく数学Cが新設されることに伴って、これまで数学Ⅱと数学Bで出題されていた単元が、数学Ⅱ・B・Cの科目で出題される形となります。
数学Ⅰ・Aの方でも、選択問題に関する変更点がありました。
具体的には、以下のとおりです。
数学Ⅰ・Aに関して
- 「場合の数と確率」、「図形の性質」に対応した問題を出題し、全問必答となる
数学Ⅱ・B・Cの選択問題に関して
- 数学B:「数列」、「統計的な推測」
- 数学C:「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」
これらの中から、3項目を選択して解答する
また、これら以外に、「簿記・会計」、「情報関係基礎」の試験も実施されていたのですが、新課程からは実施がされなくなることが決まっています。
さらに、「情報関係基礎」の内容は新しく新設される「情報」という科目での学習目標、出題内容でも一部が受け継がれる形となります。
新学習指導要領
~2021年度 | 2022年度~ | |
数学Ⅰ |
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数学Ⅱ |
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数学Ⅲ |
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数学A |
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数学B |
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数学C |
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※1 データの分析に関して
- 「箱ひげ図」などの範囲は、中学校での数学の学習範囲へ移行します。
- 「仮説検定」の考え方などが、学習範囲に入ります。
※2 場合の数と確率
- 数学Bで履修していた「期待値」の内容が、数学Aで復活します。
- 「頻度確率」に関する内容も学習します。
※3 数学と人間の活動
- 数学Aの「整数の性質」で学習した内容を多く学習します。(約数や倍数、ユークリッドの互除法、二進法など)
※4 統計的な推測
- 正規分布を用いた「区間推定」・「仮説検定」の内容、「有意水準」の概念などを学習します。
理科
大学入学共通テストでの変更
~2021年度 | 2022年度~ | |
基礎科目 |
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物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎
(1科目に合体) |
基礎なし科目 |
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(変更なし) |
- 基礎科目は、4科目が1つの試験に合体し、このうち2科目を選択することができます。
- 基礎なし科目に関しては、これまで通りです。
理科に関しては、大きな変更点はなく、これまでと同じようなカリキュラムでの学習が継続すると考えられます。
大学入試では、これまで4科目に分かれていた基礎科目(「◯◯基礎」)が、大学入試では1科目に合体する形式となり、受験生は、その中から自分の回答する科目(分野)を選択することとなりました。
新学習指導要領
理科に関しては、新学習指導要領に変更された後も、他の科目と比べて大きな変更点はありません。
- 「基礎」とついた科目の中から、3科目を選択する
- 「基礎」とついていない科目の中から、2科目を選択する
いわゆる、「理系」、「文系」の選択方式とされるものです。
ただし各科目の中には、新たに追加された学習内容があるものもあり、これに伴って、教科書の改訂がされています。